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2008年9月 6日 (土)

愛人に「遺贈」する

「愛人に全財産を遺贈する」・・・揉めそうですね。

どれだけ長い間連れ添っても、不倫相手は相続人になれません。
民法に規定されている相続人は、配偶者・子ども・直系尊属・兄弟姉妹だけです。

夫婦には、夫婦双方に同居・扶助・貞操を守る義務があります。
それらの義務を果たさなかった人の「愛人に全財産を遺贈する」という内容の遺言書は法律上認められるのでしょうか。

民法90条に「公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。」という規定があります。
これは、社会の一般秩序や道徳観念に反する法律行為は、たとえ法律行為がなされたとしても、その効力は認められないという意味の規定です。

自分の財産は自分で自由に処分することができることが原則ですが、不倫関係にある相手方への遺贈は、この「公序良俗」に反する行為と言えそうな気もします。

愛人への遺贈が「公序良俗」に反する行為だとすると、「愛人に全財産を遺贈する」という遺言は無効になってしまいます。

しかし、この手の遺言で裁判になったケースの判例を見てみると、一概には愛人への遺贈を否定していません。

遺言の有効無効を量る判例上のポイントは、

①遺言が不倫関係の維持継続を目的としているか
②夫婦関係の実態
③不倫関係の実態
④遺言の内容が相続人の生活基盤を脅かすものか

などを具体的な事実から総合的に考慮して、公序良俗に反するかを判断しています。

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相続」カテゴリの記事

コメント

御苦労様です。
試験にも出そうなテーマですね、
もっとも今年度は身分関係については親族からの出題が高いようです。

愛人~課長島耕作では必ず企業の役員に愛人がいます、島自身もそうですが(><)

投稿: ゾルダ | 2008年9月 6日 (土) 22時45分

ゾルダさん
今年は親族が出そうなのですか…。
親族は簡単そうでいてワタシ的にポカをやってしまう確率ナンバー1の科目でした^^;
島さんにも愛人がいらっしゃるんですね。
遺言書書いたかしら…catface

投稿: おさる | 2008年9月 6日 (土) 22時59分

自分のものを自分で使う。当たり前のことですね。所有権の不可侵性なんて言われますね。ならば、遺贈は絶対ではないのかしら。
遺留分制度って憲法違反かしら?
難しいですね、自由って。

投稿: 民法基礎 | 2008年9月 6日 (土) 23時26分

民法基礎さん
「権利の濫用」とかも難しい問題ですよね。
所有権者だからと言って何でも好きにしていいわけではないんですよね。
まして夫婦は…。
自由って難しいcatface

投稿: おさる | 2008年9月 6日 (土) 23時42分

社会生活を営む以上、すべてのものから自由というわけにはいきませんよね。
いわばいろいろな制限付きということですね。

投稿: クレヨン | 2008年9月 7日 (日) 23時51分

クレヨンさん。
「公共の福祉」とか呼ばれるものもありますね…^^;
一旦夫婦になったら、別れるにしろお互いに必要な責任を果たさないとね。

投稿: おさる | 2008年9月 8日 (月) 00時27分

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