« 契約の成立要件 | トップページ | 敷金トラブルの判例 »

2008年4月17日 (木)

賃貸借契約書の有効性

昨日書いた通り、契約の有効要件は、「確定性・実行可能性・強行規定および公序良俗に反しない」です。

では、建物の賃貸借契約書に「契約を解除する際、敷金よりハウスクリーニング代を清算したのち返却する」とあった場合、この契約は有効でしょうか。

国土交通省の委託で財団法人不動産適正取引推進機構が発行した、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」いわゆる“ガイドライン”には、専門業者によるハウスクリーニングは、賃借人が通常の清掃を実施していた場合は、次の入居者確保のためのもので、賃貸人(貸主)負担とすることが妥当と考えられる、とあります。また、賃借人の原状回復義務としては通常の清掃とあり、経年劣化は考慮しない、ともありました。

しかし、契約書の文言と、ガイドライン、どちらが優先されるかと考えれば、それは契約書が優先されます。ガイドラインはあくまでもガイドラインであって、強制力を持ちません。このガイドラインをタテにハウスクリーニング代の支払いを拒むことは、契約が有効に成立していた場合、賃貸人の納得を得られない限り、賃借人側が債務不履行責任を問われる可能性があります。

この建物賃貸借契約の有効性を考えるには、もうちょっと情報が必要です。
実はこの契約には宅地建物取引業者の仲介が入っています。宅建業法によると、宅地建物取引業者には重要事項の説明と書面の交付が義務付けられています。
契約解除時の取り決めは重要事項にあたりますので、宅地建物取引業者には、口頭での説明義務と、その内容を書面にして賃借人へ交付する義務があります。

このあたりは、ちょっと微妙です。契約書にも重要事項説明書にも「契約を解除する際、敷金よりハウスクリーニング代を清算したのち返却する」という一文は記載されていました。しかし口頭での説明では「引越しの時は忙しいだろうから、部屋の掃除はこちらでやります。料金も安い業者を知っているので、大した金額じゃないですよ」という説明だったそうです。
この説明だと、ハウスクリーニング代を賃借人が負担するのは「通常の清掃」を賃借人がしなかった場合であるように聞こえます。そうだとすると、賃借人自身が「通常の清掃」を行った場合はハウスクリーニング代を払う必要はないという事になります。

契約書や重要事項説明書には、「どんな場合に」ハウスクリーニング代を賃借人が負担するのか、という文言は一切ありません。

契約の有効要件に照らし合わせて考えてみると、「確定性」に疑義があるように思えます。

続きは明日・・・。

にほんブログ村 士業ブログ 行政書士へ    ← ランキングに参加してます。ご協力をお願い致します(*^_^*)

ブログランキング

人気ブログランキング【ブログの殿堂】

|

« 契約の成立要件 | トップページ | 敷金トラブルの判例 »

法律」カテゴリの記事

コメント

いや、話の段取りがうまくなりましたね←何この上から目線
次の話がききた~いよ

投稿: クレヨン | 2008年4月17日 (木) 23時19分

クレヨンさん
ありがとうございます(^^)
って、これってワタシの思考の過程を書き綴っているだけかも・・・。
オチは期待しないでください^^;

投稿: おさる | 2008年4月18日 (金) 00時06分

犬デス。 もーこが4月15日に子供を生みました。とてもかわいいい! うづまき きゃらめる ようぐろと せさみ の4匹だよ!
 早くぼく達に会いに来てね。

投稿: | 2008年4月26日 (土) 22時09分

ポチさん
ご出産おめでとうございますcat
写メ送ってねheart04
しかし、ようぐろとって・・・catface

投稿: おさる | 2008年4月26日 (土) 22時46分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/506183/20319893

この記事へのトラックバック一覧です: 賃貸借契約書の有効性:

» 不動産買取業者なら不動産買取業者情報NAVI [不動産買取業者なら不動産買取業者情報NAVI]
不動産買取業者なら不動産買取業者情報NAVIにお任せください [続きを読む]

受信: 2008年5月 8日 (木) 21時11分

« 契約の成立要件 | トップページ | 敷金トラブルの判例 »