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2008年3月 2日 (日)

遺言執行者の明渡請求権

日曜日恒例、サムライ塾早朝民法講座です。

最近のサムライ塾は2部構成の講義になっていて、「遺言執行者の職務権限」と「遺産の範囲」を並行して学んでいます。

今日の「遺言執行者の職務権限」は、“遺言執行者の引き渡し請求権について”でした。

たとえば、財産を換価した上で相続人に遺産を分配することを職務とする遺言執行者は、相続人の一人が現在居住している遺産である家屋の明渡請求をすることができるか、という問題です。
居住者がいるままで家屋を換価した場合と、いない状態で換価した場合では、居住者のいない状態の方が売却代金は高額になる事が予想できます。
相続人の一人が居住していたが為に家屋の売却代金が低額になるということは、各相続人が受け取るべき遺産の額も少なくなる事を意味します。そこで、分配される遺産額を増やす(高額で売却する)ことを目的に、換価対象の家屋に居住する相続人に遺言執行者が明渡請求をすることも遺言執行者の職務権限であるのかが問題になります。

結論から言うと、現住者の既得権を無視して、それだけを理由に家屋の明渡しを求める事は許されないというのが判例の立場です。

しかしこの既得権が、家屋の使用貸借権だった場合は、遺言執行者は職務として使用貸借の「解約告知」をする事は出来ると解されています。
結局のところ使用貸借を解約されてしまえば現住者には家屋に住み続ける大本の権利がなくなってしまう、という理屈になりますから、遺言執行者は明渡請求をすることなく目的を達成することが出来る事になります。

もちろん、全ての使用貸借契約に適用される理屈ではありません。いくつもの条件をクリアーした場合のみ“解約告知”をすることができるわけですが、一般的にも現住者の居住権は保護されるべき性質のものです。一方的な権利主張の前に、遺言執行者には各相続人に対して今後の見通しと状況説明をいかに誠実に行うかが求められると感じました。

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