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2008年2月17日 (日)

賃借権の相続

サムライ塾早朝民法講座です。賃借権の契約者が死亡した場合、同居の親族はその賃借権を相続することができるのでしょうか。

今日扱ったケースは、夫名義で建物を借りていて夫が死亡した場合、相続人である同居の妻は従来通りに住むことができるか、また、その場合に夫の兄弟が相続人として賃借権を主張することができるか、というものでした。

判例では、賃借権の相続も認められています。ですので、子どもがいない夫婦の夫が亡くなって、相続人が妻と夫の兄弟の場合、賃借権は妻と夫の兄弟が共同で相続することになります。
賃借権の利用関係は遺産相続協議などで相続人が決定するまで共有物の管理事項として最終的に多数決で決める事になります。このケースの場合は妻が持ち分の過半数を有していますから、協議がまとまらなくても妻が住み続けることができます。
夫の兄弟は持分権が4分の1ですので、妻に対して明け渡し等の主張をすることはできません。また、持ち分が過半数を超えていたとしても、占有する他の相続人に対して明渡しを求めるには、明渡を求める理由を主張・立証しなければならない、と昭和41年5月19日最高裁判例があります。

平成8年12月17日最高裁判決では、「共同相続人の一人が相続開始前から被相続人の許諾を得て遺産である建物において被相続人と同居してきた」という事情がある場合には、相続開始後も遺産分割までの間は「引き続き同居の相続人にこれを無償で使用させる旨の合意があったもの」として、同居相続人の居住の利益を積極的に根拠づけました。

しかしこの判決でも、同居相続人の無償利用権の根拠を、生前の被相続人との合意に求めるからには、扶養という親族関係が存在するというだけでなく、一種の“使用貸借契約”との合意が、どのような場合に認められるべきかが問題になる、という課題は依然として残ります。

結論としては、妻は少なくとも遺産分割協議が整うまでは、夫の兄弟が何と言おうと従来通り住み続ける事ができるという事になります。
いずれにしても、共同相続した相手方(今回のケースでは夫の兄弟)が妻の賃借権の単独相続を認めていれば問題はありません。

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