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2008年1月 6日 (日)

相続用語の基礎知識

今年初めてのサムライ塾早朝民法講座「相続編」です。初っ端と言う事もあり相続に関する基本的な用語の復習でした。微妙に勘違いして使っている用語もあり、ここで改めて勉強し直しできてよかったです。

たとえば「相続分の指定」と「遺産分割の指定」。同じような響きですがかなり違います。

どちらも遺言によってなされますが、相続分の指定は「全財産の4分の1を長男へ」、分割の指定は「○×銀行の普通口座の預金はすべて長男へ」てな感じですかね。
“相続分の指定”はどの相続人にどんな割合で相続をさせるかを指定するだけですが“分割の指定”はどの相続人に何を相続させるのか具体的です。何を誰に相続させるかが具体的な分“分割の指定”の方がトラブルを防ぐことに役立ちそうですが、他に受け継ぎたいものがあったにも関わらず変なものを指定されちゃった場合は結構悲惨ですよね。
もっとも遺言がどうであれ、共同相続人全員の協議であらためて分割し直すことも可能です。もちろん全員の承諾が必要にはなりますが。

言い回しとして勘違いしそうなのが「相続人」です。遺言による無償譲与である「遺贈」の受遺者(遺贈を受ける人)は「相続人」ではありません。以前にも書きましたが相続人は故人の配偶者プラス第1順位が子、第2順位が直系尊属、第3順位が兄弟姉妹です。相続人と言われるのはこの方たちだけです。
ちなみに包括遺贈(遺産の全部または一部の割合を遺言によって譲与すること。プラスの財産だけでなく借金も受け継ぐ)の受遺者は相続人と同一の権利義務を有しますので、実質上はほとんど相続人との差はありません。がしかし受遺者を「相続人」とは呼ばないんですよ。

「相続人」とか「相続分」とか「遺産分割」とか、みんな言葉の意味が厳密に決まってるんですよね←当たり前。普段はかなりファジーに使っているものもありますが、間違えないようあらためて気を付けますです。はい。

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法律」カテゴリの記事

コメント

包括遺贈はわかりましたが、特定遺贈がよくわからないのですが、教示願います。
遺産分割方法の指定とどう違うのでしょうか?
遺産分割には第三者が入らないが特定遺贈は入る?
混乱中です。

投稿: クレヨン | 2008年1月 6日 (日) 18時50分

クレヨンさん
包括遺贈と特定遺贈の最大の違いは、包括遺贈は消極財産も引き継ぐということと、ほぼ相続人と同一の権利義務を有すると言う点です。という事は包括遺贈の受遺者は遺産分割協議にも参加する必要があります(包括遺贈の受遺者が赤の他人でも)。しかし特定遺贈は単独行為ではあるものの特定の財産についての贈与契約の受贈者と同じような地位にあるといえます。ですので特定遺贈の受遺者は遺贈義務者(相続人または遺言執行者)に対し遺産分割協議を経ることなく対象物の所有権移転または引渡しを請求する事が出来ます。
クレヨンさんが仰るのは赤の他人ではなく相続人が遺言上で法定相続分以上の財産を与えられていた場合「遺贈」にあたるのか「遺産分割の指定(または相続分の指定)」にあたるのかという事だと思います。
遺言の文言が「遺贈する」とあった場合は「遺贈」であることは明らかです。しかし「相続させる」とあった場合はどうでしょうか。学説上は対立する解釈がいくつか取り沙汰されているようですが、登記実務上は共同相続人間の遺産分割協議なしの所有権移転登記を受け付けていて、判例も「遺産分割方法の指定」であると解しつつ何らの行為も要せず直ちに所有権移転の効果が生ずる、と判示しています(平成3年4月19日)。
ここから考えると「遺贈」とされる場合は登記について、相続人または遺言執行者の協力が不可欠なのに対し「相続」とされる場合は他の相続人の協力は必要ではなく、遺言によって相続した者が単独で登記申請できるということになります。
「遺産分割の指定」とされた場合次のようなメリットが考えられます。まずは先に述べてように、単独での登記申請が可能なことが挙げられます。ほかには登録免許税が「遺贈」の場合評価額の1000分の20なのに対し1000分の4でよいとされています(18年4月1日現在)。また特定財産が農地の場合相続にあたると農地法の許可は必要とされません(遺贈だと許可が必要です)。
ちなみに参考文献はダットサンと新日本法規の相続・贈与の法務と税務です。

投稿: おさる | 2008年1月 7日 (月) 10時43分

詳細なる回答ありがとうございます。
相続人には、遺贈と誤解されないようにはっきり書かないと恨まれますね。
もうひとつ、特定遺贈が全員不満であれば、引っ繰り返せるのでしょうかねぇ。

投稿: クレヨン | 2008年1月 7日 (月) 15時59分

クレヨンさん
特定遺贈は贈与とほぼ同じですので、受遺者が放棄しない限り相続人全員が反対しても有効です。

投稿: おさる | 2008年1月 7日 (月) 23時24分

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